サヴァニャン種、クラヴランという瓶(620ml)
「このワインに飲み頃は、あってないようなもの?シェリー香があり、料理との合わせかたもシェリーと同じような感覚でよいのではないでしょうか。このワインを魚料理に上手く合わせたことが評価されて、三ツ星レストランとなったレストランがフランスのニースにあるそうです。日曜日の午後にゆっくり少しづつ飲むようなイメージ」
「サヴァニャンはフランスでもジュラ地方にしか植えられていない特別なブドウなのである。サヴァニャンから造られた白ワインは恐ろしく濃縮された味わいで、樽に詰められたセラーの中で眠り続けることを強要される。その間、澱引きはおろか、樽の隙間から蒸発したワインの目減りを補填されないまま放置されるのである。ところが、偶然にもジュラ地方特有の山間の風土がスペインのシェリーと同じ上面発酵型の酵母に向いた気候だった。その酵母は樽の中に入り込み、目減りしたワインの表面に薄い膜をつくりながら増殖する特性を持っていたからだ。酵母の膜はワインと空気の接触を遮断させ、緩やかな熟成を助ける働きをするため、ワインは6年間セラーで眠り続けることができるのだ。〜黄金色の輝きを発し、酵母による独自の香りはシェリーを思わせる。ビンの口を開封しても、ワインの味わいはまったく衰えないのだ。何よりも赤ワインが最も苦手な甘酸っぱいオレンジソースなどにさえも対抗できる味わいになっているのだから。(渋谷康弘著『デギュスタシオン〜男と女とワインの15の物語』より)」
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